睡眠時間と記憶力

睡眠時間と記憶力

脳のなかでも主要な部分を占める大脳は、「前頭葉」「側頭葉」「頭頂葉」「後頭葉」に分かれますが、海馬は側頭葉内側の深い部位にあり、タツノオトシゴのような形をしています。海馬の役割のひとつに、数十秒の短期記憶を作り、それを長期記憶のための領域にストックすることです。
そのためか、海馬が大きいほど記憶力が良い、という研究結果があります。

 

また、睡眠時間の少ない子供は、多い子供に比べて記憶力が低く、学習成績も思わしくないという統計もでているようです。

 

睡眠と脳の関係性で、さまざまな研究結果が発表されていますが、その中で
海馬と睡眠時間との関係性を見たところ、「毎日の睡眠時間と海馬の体積の有意な正の相関」が見られました。つまり、睡眠時間を十分にとっている子どもほど、海馬の体積がより大きいということが明らかになったのです。

健やかな発達には、8〜9時間の睡眠が必要

<例>
8時に就寝した場合、5時頃に起床
9時に就寝した場合、6時頃に起床
※これで、9時間睡眠とれます。

 

睡眠時間と海馬の関係は、マウスの睡眠剥奪実験で、睡眠を奪われたマウスには海馬の体積減少が見られます。また、人間でも、原発性不眠症や睡眠時無呼吸症候群の患者さんには、海馬の体積減少が見られたのです。

 

海馬の体積減少が睡眠不足となぜ関係があるのでしょうか。その理由は、海馬の神経細胞の特徴にあります。
基本的に脳の神経細胞は、うまれてから減る一方ですが、唯一海馬の神経細胞だけは新しく生まれる細胞なのです。そして、この神経細胞の新生を抑える最大の要因はストレスです。

 

そのため、睡眠時間が短いと、そのことがストレスとなって、新たな神経細胞の誕生を妨げてしまうのだと思います。そのため、神経細胞の寿命と誕生のサイクルが乱れ、結果として神経細胞が減少して、体積が減っていくのではないかと思われます。

 

ただし、睡眠時間が長ければ長いほど海馬の体積が大きくなり、記憶力がよくなるわけではないようです。
睡眠は質が大事だといわれるように、一般的には、睡眠時間がある程度以上長いと、睡眠中に何度か目が覚め、眠りが浅くなり、結果的に睡眠の質が落ちることがわかっています。

 

子どもの脳の健やかな発達には、少なくとも8〜9時間の睡眠が必要だと考えられる、そうです。